02 |設計編|プランニングと戦略

引退後にこんなキャンペーンがあったなら──トルコ航空“6大陸チャレンジ”を皮算用してみた

飛行機の窓から見た広がる雲海と青空。自由な旅を象徴する機上の風景。

もし、100万マイルを手にする旅があるとしたら──
それは、イスタンブールを軸に6つの大陸すべてに降り立つ、壮大なフライトチャレンジだった。

トルコ航空が打ち出した「6大陸チャレンジ」は、全世界を舞台にしたキャンペーン。
期間内にすべての大陸に“到着”するだけで、100万ものマイルがもらえるという、空の冒険者向けの企画だ。

もちろん、今のぼくには無理だ。
まだ働いていて、そんな長旅に出られる余裕はない。

でも──2028年、ぼくたちは会社を早期退職し、自由な旅に出る予定だ。
もしその時、このキャンペーンがあったなら?
どんなルートを組んで、いくらかけて、どんな体験をするだろうか。

そんな「未来の夢旅」を、いま皮算用してみることにした。
現実にはまだ遠いけれど、確かにありうる話として。


第一章|「6大陸チャレンジ」とは何か?

世界中を旅して、マイルを貯めている人なら、思わず耳を疑うような話だった。
──「全6大陸に到着すれば、100万マイルがもらえる」。

そんな大盤振る舞いのキャンペーンを、2025年の夏、トルコ航空が本当に始めたのだ。
名称はそのまま、「Fly Across 6 Continents – Earn 1 Million Miles!」。

ルールは意外なほどシンプルだ。
キャンペーン期間中にトルコ航空便(コードシェア除外)を使って、以下の6つの大陸すべてに“到着”すること。

  • ヨーロッパ
  • アフリカ
  • 南アメリカ
  • 北アメリカ
  • オセアニア
  • アジア(※東京出発でも可)

すべての便はトルコを経由または出発地としなければならず、到着地のみが大陸カウント対象
出発地や乗継地では大陸達成とみなされないのがポイントだ。

期間は2025年6月27日から10月27日まで。
ちょうど約4ヶ月──でも、働きながらではとうてい無理な日数だ。
ただ、これがもし退職後だったら。
ゆとりある時間と旅の自由を持った自分なら、この6大陸ルールを満たす旅、組めるかもしれない。

そしてもらえるのは、100万マイル
ただの“思い出”だけじゃない、明確なリターンが用意されている。
そのリターンを最大限活かすにはどうすればよいか。
そう考えたとき、ふと「皮算用」したくなった──旅の計画として。資産戦略として。人生設計の一部として。


第二章|我が家ならどう組む?6大陸モデルルート

さて、ルールが分かったところで、本題に入ろう。
ぼくたち夫婦がこのキャンペーンに参加するなら、どんなルートを組むか?

出発地はもちろん東京。
すべての便はトルコ航空の自社運航便で、イスタンブール(IST)を必ず経由する必要がある。
到着地が6つの異なる大陸にまたがっていれば、クリア。
条件は厳しいようで、ルート設計の自由度は意外と高い。

そこで、現実的かつ効率的な構成で、以下のような旅程を描いてみた。

区間 到着地(大陸) 便構成 所要時間目安
バルセロナ(ヨーロッパ) 東京 → IST → BCN 約17時間
カイロ(アフリカ) BCN → IST → CAI 約9時間
サンパウロ(南アメリカ) CAI → IST → GRU 約18時間
ニューヨーク(北アメリカ) GRU → IST → JFK 約19時間
シドニー(オセアニア) JFK → IST → SYD 約24時間
東京(アジア) SYD → IST → 東京 約18時間

このルートなら、すべての到着地が異なる大陸であり、要件を完璧に満たしている。

もちろん、各都市でゆっくり観光してもいいし、最短日数で回る“マイルラン”的な楽しみ方もある。
ぼくたち夫婦が目指すのは──そう、「資産型旅」だ。

単に移動するだけでなく、各地での滞在そのものを旅の目的とする。
だからこそ、次章ではその2つの旅のスタイルに分けて、「もしやってみたら?」の試算をしてみようと思う。


第三章|短期で回るか、ゆっくり旅するか──2つのモデルと試算

いざ旅程を組んでみると、もうひとつ悩ましいのが「どう回るか?」という問題だ。
時間の制約がなくなったとはいえ、体力や費用、旅の目的によって選ぶべきスタイルは違ってくる。

このキャンペーンにおいては、「飛行機に乗ること」が目的になる。
つまり、どれだけ移動しても、到着さえすればOK

となると、次の2つのプランが浮かび上がる。

✈️ プランA|最短マイルランモデル(約6週間)

  • 旅程期間:約4~6週間
  • 宿泊費:最小限(空港ホテル or 数泊)
  • 疲労度:高め
  • 費用(1人):航空券 約75万円+諸費用 約28万円 ≒ 約103万円

🌍 プランB|資産型・観光組込モデル(約3ヶ月)

  • 旅程期間:約3ヶ月(90日+α)
  • 宿泊:中級ホテル滞在
  • 疲労度:分散・ゆるやか
  • 費用(1人):航空券 約112万円+諸費用 約105万円 ≒ 約217万円
項目 プランA:最短型 プランB:観光型
日数 約6週間 約3ヶ月
費用(概算/人) 約103万円 約217万円
特徴 費用効率・時間効率重視 旅そのものを楽しむ構造

100万マイルの価値をどう捉えるかは人それぞれだ。
欧州ビジネスクラス往復なら25,000〜40,000マイル。
うまく使えば、この一度の挑戦でその後何年も旅ができる“旅の資産”になる。

あとは、「どちらが自分たちらしい旅か?」──それだけだ。


もちろん、こんなキャンペーンに挑めるのも、旅費を出せる“仕組み”があるからこそ。

僕たちは「r > g」を軸に、本業×投資で旅に自由をもたらす仕組みをつくってきました。

第四章|もし、あなたならどうする?

こうして一通り皮算用してみると、現実にこの旅が実行できる日は案外近いのかもしれない、と思えてくる。
2028年。ぼくたちは、働くことから自由になり、時間を自分で設計できるようになる。

そのとき、もし再びこんなキャンペーンが登場したら。
100万マイルという報酬を目的にしてもいいし、ただ旅そのものを楽しんでもいい。

「飛行機に乗ることが目的」なんて、ちょっと馬鹿げているようで、実はとても豊かな経験だ。

それに、ルート設計も、費用の皮算用も、こうして考えること自体が、もうすでに旅の一部なのだ。

ぼくたちはきっと、観光型のゆったり旅を選ぶだろう。
それは費用面では贅沢だし、時間もかかる。けれど、旅の記憶と体験の密度を最大化できる方法だと思っている。

でも、最短ルートで“100万マイルだけ狙う旅”も、筋が通っていて、ある種のかっこよさがある。
きっと、どちらも正解なんだ。

では、あなたなら──どうする?

  • 3ヶ月かけて、世界をゆっくり巡る旅。
  • 6週間で、効率よく大陸を駆け抜ける旅。
  • あるいは、別のまったく新しい旅のスタイル。

いつかこのキャンペーンが再び来るなら、どんなルートを描いてみたいですか?
もしよければ、あなたの「夢旅の皮算用」も、ぜひ教えてください。

補章|キャンペーン概要をざっくりおさらい(※原文は英語)

ここまで読み進めて、「でも、実際のルールってどうなってるの?」と思った方もいるかもしれません。
そこで、公式サイトに記載された英文ルールをもとに、ざっくり日本語に意訳してみました。

  • 対象期間:2025年6月27日~10月27日(搭乗ベース)
  • 対象者:Miles&Smiles会員で、すべての条件を満たす搭乗者
  • 達成条件:6つの大陸(到着地ベース)に到達すること
  • 必須条件:各便はすべてトルコ航空(TK運航便)で、トルコ発 or 経由を含むこと
  • 対象外:コードシェア便、アワード(特典)チケット、プロモコード利用、学生・医療・職員向けなどの割引運賃
  • カウント対象:到着地のみ(乗継・出発地はノーカウント)
  • マイル付与:2025年11月1日〜15日の間に、Miles&Smiles口座へ自動付与
  • 事前登録:フライト予約時に会員番号の紐づけが必要

このキャンペーン、見れば見るほど「ちゃんとルールを読んで準備した人だけが報われる」タイプです。
今回ぼくが紹介したのは、あくまで非公式な皮算用ですので、正式な条件は必ず以下の公式ページをご確認ください。

▶ トルコ航空|公式キャンペーンページ(英語)

シカゴ科学産業博物館に展示されたレトロな赤い飛行機。100万マイルへのばかげた挑戦を象徴するようなイメージ。
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この記事を書いた人
shisan-tabiの運営者であり夫(資産設計・旅の記録を担当)
shisan-tabi管理人(夫)
旅のプランニングと資産設計を通じて、自由な人生を構造的にデザインすることを追求中。
50歳での早期退職を目指し、世界一周航空券での長期旅を本気で準備しています。
思想・構造・実践──人生を支える「資産としての旅」を記録・発信中。