「ねえ、“情報の非対称性”とか言われても、正直ピンとこないんだけど…。それってそんなに大事なの?」
「うん、大事なんだよ。言葉は難しく聞こえるけど、たとえば不動産投資と比べてみるとすごくわかりやすいよ。」
「不動産?なんでいきなり不動産?」
「どっちも“投資だから、お金を投じてリターンを狙うことに違いはない”けど、情報の見え方が全然違うんだよ。」
株式投資は、初心者でも「同じ土俵」に立てる
株式投資は、実はとても“フェア”な世界です。
なぜかというと、上場企業は定期的に財務情報や経営状況を公開する義務があるから。
私は仕事で上場企業の開示に関わっていて、その大変さを身をもって感じています。
裏を返せば、すべての上場企業は程度の差はあっても、開示に苦労しているはずです。その苦労の結果──
- 売上や利益、会社の成長率
- 配当があるかどうか
- 経営方針や役員の報酬まで
こうした情報は「有価証券報告書」や「決算短信」として、インターネットで誰でも確認できます。
つまり、プロの投資家と初心者が、同じ情報を見ながら投資できるってこと。
これってすごく大事で、「情報の非対称性(=一部の人だけが知っている情報)」が起こりにくい市場だから、初心者でも安心して投資を始められるんです。
不動産投資は「情報格差」がつきもの
一方、不動産投資はどうでしょう?
- 土地の価格って適正?
- 将来、そのエリアは住みやすくなる?それとも過疎化する?
- 消滅可能性都市に入ってないよね?
- 壁の中にカビや水漏れが隠れてない?
- 入居者がすぐ見つかるか、空室が続くか?
──これ、ほとんどが素人にはわからない情報ですよね。
だからこそ、信頼できる不動産業者に頼る必要があります。
でも実際には、そんなに甘くない。
たとえば有名な「かぼちゃの馬車事件」。
個人投資家向けに女性専用シェアハウス投資を持ちかけ、多額のローンを組ませて破綻させた事件です。
銀行と業者の癒着、ずさんな審査…まさに「情報の壁」によって大勢が損をしました。
株式なら、Appleやトヨタにも少額で投資できる
さらに株式投資のいいところは、身近な大企業にも投資できること。
- トヨタやユニクロに投資する(日本株)
- AppleやGoogleにも投資できる(米国株)
最近は「NISA」などを使えば、投資信託ならこれらの大企業にも月100円からでも投資が始められます。
しかも、ネット証券やアプリを使えば、スマホで完結。本当にハードルが下がってきています。
情報がクリアな場所で、自分のお金を育てよう
投資は「未来に希望を持ってお金を預けること」でもあります。
その“未来”が見えるかどうか──つまり、情報の透明性があるかどうかがすごく大事なんです。
- 株式市場は、初心者にも情報が開かれていてフェア
- 不動産市場は、プロと素人で見えている情報が違いすぎる
どんなに情報がクリアでも将来のことは見通せないし、上場企業側だって絶対に儲かる、将来安泰なんて口が裂けても言いません(絶対なんてないから)。
そんな不確実な未来にお金を託すからこそ、せめて“正直に戦える場所”──フェアな土俵である株式市場から、私たちは始めることにしたのです。
続きはこちら
次回は──
なぜ、投資なんてしなきゃいけないの?
絶対安泰ではない株式投資。
それでも「預金だけじゃダメな理由」と「資本を市場に投じるしかない」という構造を、わかりやすく解説していきます。

旅のプランニングと資産設計を通じて、自由な人生を構造的にデザインすることを追求中。
50歳での早期退職を目指し、世界一周航空券での長期旅を本気で準備しています。
思想・構造・実践──人生を支える「資産としての旅」を記録・発信中。