クルーズなんて、自分には無縁だと思っていた。だけど、新婚旅行の行き先を探していたある日、「船旅」という選択肢に出会った。
何も決めず、ただ海の上で暮らすように移動する──それは、旅の価値観を静かに変える体験だった。
この記事では、そんなクルーズ旅で感じた「選ばない自由」の贅沢について、夫婦で体験したリアルな視点から綴っていきます。

- クルーズ旅行の魅力①|オールインクルーシブで夫婦喧嘩が減った理由
- クルーズ旅行の魅力②|旅の役割分担から解放されるしくみ
- クルーズ旅行の魅力③|好きな時に食べられる自由な船上食生活
- クルーズ旅行の魅力④|コスパ抜群!移動も食事も全部込み
- クルーズ旅行の魅力⑤|「また来たい」と思える寄港地の楽しみ方
- クルーズ旅行の魅力⑥|船上で感じた“見えないつながり”と安心感
- クルーズ旅行の魅力⑦|移動そのものが楽しいから、また乗りたい
- クルーズ旅行の魅力⑧|世界一周航空券×クルーズという旅の設計
- クルーズ旅行の魅力⑨|初心者・夫婦旅・決めるのが苦手な人におすすめ
- クルーズ旅行の注意点|寄港地で迷わないために知っておくべき
- 自由な旅の設計へ──クルーズが教えてくれたこと
クルーズ旅行の魅力①|オールインクルーシブで夫婦喧嘩が減った理由
旅の中で案外多いのが「今日どこでごはん食べる?」問題。

ぼくはがっつり食べたい。でも妻は「今日は軽くでいい」と言う。じゃあどこ行く?って聞くと「そっちが決めてよ」ってなる。
自由なはずの旅行なのに、その自由さがしんどくなるときがある。
クルーズ旅行の魅力②|旅の役割分担から解放されるしくみ
「行きたいのはあなたでしょ?」って、旅先で言い合いになったこと、ありませんか?
店選び、ナビ、ルート、そして…「なんでこっちが全部やってるの?」という、あのモヤモヤ。
道に迷えば空気が悪くなり、疲れてきた頃に「もうなんでもいい」なんて言われた日には…もう、ね。
でもクルーズ旅なら、
行き先も食事もルートも、すべて“設計済み”。
誰がリードするでもなく、
誰が責任を負うでもなく、
ただ一緒に“そこにいる”ことが旅になる。
これはきっと、自由の別のかたちなんだと思う。
クルーズ旅行の魅力③|好きな時に食べられる自由な船上食生活
船内には、決まった時間に楽しむレストランもあれば、24時間オープンのバフェィ(ビュッフェ)もある。
プールサイドでは、ソフトクリームやホットドッグが食べ放題。
食事も美味しいのだから、この上ない。
料理のクオリティは想像以上で、レストランはもちろんバフェィでも「適当に作られた感じ」がまったくしない。
うちの妻なんか、毎日のようにバフェィでスイカを取ってきては、
「バルコニーで潮風にあたりながら海を見ながら食べるスイカって、なんか特別だよね」と笑っていた。
──たぶん、人生でいちばんスイカを食べた旅だった。
「スイカが食べ放題なだけで、もう満点じゃない?」と冗談交じりに言ってたけど、あながち冗談でもなかった。
クルーズ旅は、「食べること」さえ、旅になる。

クルーズ旅行の魅力④|コスパ抜群!移動も食事も全部込み
クルーズは高そう?
そう思っていたけど、それはただの思い込みだった。
移動・宿泊・食事・エンタメ(ショー鑑賞)すべて込み。
さらにはジムだって使えるし、カジノで遊ぶことだってできる。
これで1泊あたりのコストを割ると、普通に飛行機+ホテル旅より安いケースもある。
Cruise.comなどの予約サイトを使えば、かなりリーズナブルに探せる。
ぼくたちはその時、「ちょっとした贅沢」ではなく「合理的な選択肢」として、クルーズに出会った。

クルーズ旅行の魅力⑤|「また来たい」と思える寄港地の楽しみ方
クルーズの欠点は明確だ。
寄港地にゆっくり滞在できないこと。
たとえば「この街、もう一泊したいな」「この街のホテルに泊まってみたいな」と思っても、選択肢はない。
船は常に、次の目的地へと走り続ける。

ただ、旅の価値は滞在時間の長さだけで決まるわけではない。
「この街には、また来よう」
そんな余韻を残しながら立ち去ることも、ひとつの旅の形だ。
クルーズ旅行の魅力⑥|船上で感じた“見えないつながり”と安心感
そういえば、こんなこともあった──
寄港地を歩いていると、ふと遠くに大きな白い船が見えた。
「あ…あれ、僕らの船だよね」
見知らぬ土地でも、その姿が見えるだけで、不思議と安心する。
そして手にしているのは、乗船時にもらったクルーズ会社のエコバッグ。
最初はふだん使いの手持ちバッグで街を歩いていた。
でも寄港地では、肩からクルーズ船のエコバッグを下げた人たちがけっこう多くて。
「あ、これはちゃんと使わなきゃ」って、自然と手に取っていた。
その日からは、ぼくたちも同じように肩にかけて歩いた。

同じバッグを肩にかけた人たちとすれ違うたび、
別に会話をするわけじゃないけど、「あ、仲間だよね」という気持ちが、ふわっと生まれる。
クルーズ旅って、そういう目に見えない繋がりの中にいる感覚が、ちょっと心地いい。
クルーズ旅行の魅力⑦|移動そのものが楽しいから、また乗りたい
「ねえ、次はどのクルーズにしようか?」
それが、帰国後に最初に交わした言葉だった。
それは、考えるまでもなく、すとんと腑に落ちた感覚だった。
荷ほどきしたスーツケースを、そのままにして次の街へ移動できる。
朝起きたら、別の港に着いている。
移動が楽しい。
それだけで、旅はとても自由になる。
あの時間が、ただの“移動”じゃなかったことを、帰国してあらためて実感した。
こうして、私たちの「資産型旅」の第一歩は、
クルーズという“設計された自由”からはじまった。
それは、構造として設計された“自由”だった。


クルーズ旅行の魅力⑧|世界一周航空券×クルーズという旅の設計
ぼくらは2028年、世界一周航空券で長期旅に出る。

そこにクルーズは組み込まない。でも──
その次の旅では「世界一周 × クルーズ」の旅を設計してみたいと、すでに思っている。
空と海をまたぐ、次なる“自由の形”として。

クルーズ旅行の魅力⑨|初心者・夫婦旅・決めるのが苦手な人におすすめ
- 「今日なに食べる?」問題になりがちな人
- 夫婦旅でケンカしたくない人
- 移動が面倒な人、でもいろんな場所を見たい人
- 自由に旅したいけど、決めるのが苦手な人
はじめてのクルーズ旅行は、新婚旅行。
「クルーズ旅行 初心者」だった私たちが、この旅で出会ったのは、
ただの移動手段ではなく、自由を設計する旅という発想だった。
スーツケースを何度も開け閉めしなくていい。
毎朝、別の港に着いている──それだけでクルーズ旅行の快適さを実感する。
夫婦旅にぴったりの、ストレスのない移動手段だった。
クルーズ旅行の魅力は、選択を手放すことで得られる“別の自由”にある。
特に旅のプランに悩みがちな初心者夫婦には、この形が心地よく感じられるかもしれない。
自分で全部決める自由もいい。
でも、オールインクルーシブなクルーズ旅のように、
「決めなくていい自由」を意識的に設計することも、たまには悪くない。
──それは、旅に限らず、日々の暮らしにも応用できる自由のヒントかもしれない。
クルーズ旅行の注意点|寄港地で迷わないために知っておくべき
クルーズ旅をもっと快適に楽しむには、寄港地の構造を事前に理解しておくと安心だ。
日本でたとえるなら、クルーズの案内に「東京」とあっても、実際の接岸は「横浜・大さん橋」だったりする。
せっかくスカイツリーに行こうと思っても、往復に時間(電車の乗り継ぎで往復3時間はかかる)がかかりすぎて、寄港時間(たとえば5時間)では厳しいこともある。
公共交通があるのか、シャトルバスが出ているのか──そういった情報も案外少ない。
普段から個人旅行で“全部自分で調べる”タイプの人ほど、クルーズの“ゆだねられた自由”にストレスを感じるかもしれない。

だから多くの乗客は、「寄港地観光(エクスカージョン)」に申し込む。(さすがにこれは別料金)
ぼくらも、唯一アマルフィだけはそれを利用した。
英語ガイドだし、船内新聞もすべて英語。でも、その体験込みでおもしろかった。
たとえば、モンテネグロのコトルに寄港する前日。
船内新聞に「Tender(テンダー)」の文字を見つけたけど、「ラブ・ミー・テンダー」しか思い浮かばなかった。
でも当日、港と船のあいだを結ぶ小型ボートが出てきて、「ああ、これがテンダーなんだ」と理解できた。
しかも、これって救命ボートだよねって気づいて、なんか妙に納得した。

英語漬けでネットも繋がらない環境だからこそ、“その場で知っていく”のも悪くない。
──自由とは、すべてを自分で決めることだけじゃない。
“あえて情報を持たずにゆだねる”ことで得られる、別の豊かさがある。
自由な旅の設計へ──クルーズが教えてくれたこと
自由に生きること、自由に旅すること──
その裏側には、見えない設計図がある。
この旅で感じた“自由の設計”については、
今後〈思想編〉で、もう少し丁寧に言葉にしていきます。
「資産型旅」という旅のかたちは、
そんな設計図から生まれたひとつの答えなのかもしれません。
本記事で紹介した「自由の設計」という考え方について、より詳しく知りたい方はこちらもどうぞ。


> 🛏箱根の常宿にも、毎年通って“整えている”宿があります → 箱根・白檀のレビュー記事はこちら

旅のプランニングと資産設計を通じて、自由な人生を構造的にデザインすることを追求中。
50歳での早期退職を目指し、世界一周航空券での長期旅を本気で準備しています。
思想・構造・実践──人生を支える「資産としての旅」を記録・発信中。