「自由に生きたい」──そう願ったとき、最初に手にした“設計図”は、ANAのSFC(スーパーフライヤーズカード)でした。
これは、自由な人生を目指す会社員が、2011年の年末、リスクを飲み込みながら挑んだ“旅とステータス”の物語です。
そして10年以上の時を経て、スカンジナビア航空が仕掛けた100万マイルの挑戦者たちと重ね合わせながら──
ぼくは改めて、「自由とは、設計とリスクの先にある」という思想を思い出しました。
自由を設計するには、リスクを“感知”する力がいる
2011年12月30日──ANAのプラチナステータス(SFC)を目指した旅の最後は、ラスベガス発サンフランシスコ経由・成田行きという超ギリギリの帰国便。
今思えば、ありえない旅程だ。年末の北米で、ラスベガスの出発が遅れる、サンフランシスコで乗り継ぎに失敗する、あるいはどちらかの便が欠航する──いずれか一つでも起きれば、すべてが水の泡だった。
でも当時のぼくは、そんなリスクを承知のうえで、その設計に“賭けて”いた。なぜなら、これまでに一度も欠航や大幅な遅延を経験したことがなかったこと、なにより年内に帰国しないとSFC取得が間に合わなかったから。
結果的にこのフライトは、何のトラブルもなく日本に到着。ぼくはANAのプラチナを獲得。その後、スーパーフライヤーズカードを申し込み、いまでもスターアライアンスゴールドを保持している。
自由には“設計”と“感度”が要る
当時のぼくは独身で地方在住。地方から東京への出張や、シンガポールへの旅行を組み合わせてプレミアムポイントを効率よく稼ぐ環境にあった。
つまり、この旅程も「思いつき」ではなく、「設計された自由」だった。
そしていま──スカンジナビア航空が仕掛けた「100万マイル」キャンペーンに世界中の人が挑戦した。

わずか9日間で世界一周をして15社の便に乗る人もいれば、イギリスを拠点に複数回の旅で達成した人もいる。こんな旅程、乗り継ぎに失敗すればすべてがパーになる…でもそれを承知でリスクとリターンを天秤にかけて実行したのだ。
共通しているのは、「自由には、設計とリスク感度が必要」だということ。
“思い出”という資産は、あとから価値に気づく
あの2011年の北米からの帰国便は、たしかにリスクが高かった。でも10年以上経ったいま、あの旅を思い返すと、不思議と誇らしい。
そして2019年春──妻との旅ではラスベガス最終地で、カルガリーの吹雪による乗継便欠航を体験。まさかゴールデンウィークの時期に吹雪に遭遇するとは…
ちなみにこのとき、いったん機内には乗り込み、滑走路へと進み始めていた。
だが結局、離陸は中止。飛ぶか、飛ばないかの境界線で判断が下された。


カルガリーは半日だけの乗り継ぎ地点にすぎなかった。この時期の砂漠ラスベガスに厚着は不要。寒さに耐えられないほどの軽装、空港で一晩を過ごすことに。
さらには、楽しみにしていたモニュメントバレーのツアーも、モニュメントバレーが目の前に広がる「The View Hotel」もキャンセルせざるを得なかった。
でも、この出来事すら、いまでは思い出として“資産”になっている。なぜなら余裕をもった旅程も選択肢に入れるべきと学んだからだ。
それでも、「The View Hotel」 への熱い想いは、いまでも持ち続けている。
人生も旅も、その価値は“あとから”立ち上がってくる──だからこそ、「今この瞬間を設計する」ことに意味がある。
shisan-tabiでは、自由な人生を設計するためのヒントを、旅と資産のリアルな実践から掘り下げています。
今回の記事が、あなたの旅の設計や、自分らしい自由のかたちを考えるヒントになれば嬉しいです。

旅のプランニングと資産設計を通じて、自由な人生を構造的にデザインすることを追求中。
50歳での早期退職を目指し、世界一周航空券での長期旅を本気で準備しています。
思想・構造・実践──人生を支える「資産としての旅」を記録・発信中。